スクラムはじめました! その1 ~導入編(1)~
はじめに
本記事は、アジャイルな開発手法の1つである「スクラム」を本格的に導入した頃の内容です。
スクラムをはじめて2ヶ月後くらいには、少しずつ履歴が溜まり始め、やってみて見えてきたことがたくさん出てきました。
チームも良い開発(楽しく開発し、価値のあるものをお客様に提供する)ができるチームへと確実に改善されていることを実感しています。
今回は、スクラムを実践している中で実際にやってみたことや感じたことを全5回に分けて発信していきます。
※本やネットに書いていないようなことを伝えたいです
~ 導入編(1) ~
認定スクラムマスターの誕生
きっかけは、これまでもスクラムの要素を取り入れながら改善を行ってきましたが、正しい認識&理解の上で実践できているという確信が得られず、試行錯誤を繰り返して実践してきました。
そんなとき、2013年11月に我社で2人の [ 認定スクラムマスター ] が誕生しました。
これがスクラムの本格導入へ行動を移すための大きな後ろ盾になりました。
(当時はまだ札幌では数少ない認定スクラムマスターでした)
スクラムの用語をまったく使わない
さっそくスクラムを導入すると明言するわけですが、スクラムを経験してきたメンバが居る訳でもなく、中にはスクラムの知識がまったく無いメンバもいるため、スタートラインに立つことが難しいように思えました。(多くの人が導入に踏み切れない最初の壁ですかね)
そこで最初に考えた仕掛けが、スクラムの用語をまったく使わないことでした。
メンバがこれまでの経験や知識を応用できるような言葉を使い、難しい概念を出さないことで、メンバの不安要素を消した訳ですね。
ちなみに、チームメンバは7名で、遠隔で作業しているメンバを含んでいます。
(幸いなことに、スクラムガイドで推奨している7±2名にピッタリ)
2つの成果物
具体的には、
やるべきことをまとめておこう ・・・【 成果物(アーチファクト)】
これまで、お客様からの要求や不具合、環境改善の活動など、やるべきことが分散されて管理していましたが、どれもやるのはチームなので、ひとつにまとめて管理しました。
成果物(1):要件一覧
[ 要件一覧 ] と呼ぶもの ・・・【 プロダクトバックログ 】
やるべきことすべてをExcelに一覧形式で記入していきます。
但し、ここでの内容として必ず記入する項目を決めています。
- ターゲット:誰がほしいのか
- 要件:何がほしいのか + その理由
- 完了条件:どうすれば終わりなのか
- 納品時期:いつほしいのか
成果物(2):作業一覧
[ 作業一覧 ] と呼ぶもの ・・・【 スプリントバックログ 】
[ 要件一覧 ]の項目のうち、今回のイテレーション(【スプリント】)で行うと決めた項目を、作業タスクに分解してExcelに記入します。
- [ 要件一覧 ]の項目:[ 要件一覧 ]と紐付け
- タスク:やるべき作業
- 担当:誰がやるか
- 予定工数:どれだけかかるか
大切なことを漏らさずに、わかりやすい言葉で表現することで、どのメンバもすんなり理解ができていたのがGoodでした。
次回は「役割」「活動」をどうはじめたか、そして、やりはじめてどう変わってきたかの「実践編」に入っていきます。
お楽しみに。
▼ 続きは以下よりご覧ください。
- スクラムはじめました! その1 ~導入編(1)~
- スクラムはじめました! その2 ~導入編(2)~
- スクラムはじめました! その3 ~導入編(3)~
- スクラムはじめました! その4 ~実践編(1)~
- スクラムはじめました! その5 ~実践編(2)~
この記事を書いた人

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トラスティア株式会社 専務取締役
テクニカルディレクター
長期に渡り、アジャイル開発を推進・実行しています。
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