「木を見て森を見ず」システム開発の実装で陥りやすい間違いとは?

本記事は「2011年5月」に投稿したブログ記事を再編集したものです。

開発者の多くが陥りやすい間違い

「木を見て森を見ず」

この諺は聞いたことがあるでしょう。goo国語辞書では、

小さいことに心を奪われて、全体を見通さないことのたとえ

と説明されています。

では、ソフトウェア開発の場面で考えてみましょう。

開発の作業工程には、大きくいくつかの工程(設計、実装、テスト 等)で分類できます。
今回は、その中の「実装」に注目してみます。

実装工程では、設計時に作成された設計書を元にして【動くもの】を実装していきます。

この時、開発者の多くが陥りやすい間違いがあります。

「設計書(仕様)通りに実装する」

ことです。
基本的には、これは正しいことです。

「こんな機能は使えない」

しかし、実装がはじまると、その機能だけに注目してしまい、システム全体や他の関連機能が見えなくなってしまうことで、バランスの取れない独自機能ができてしまうケースが少なくありません。

そうすると、

実装者:「仕様通りに実装しました」
 
ユーザ:「こんな機能は使えない」

ということが起きるのです。

この例は極端で、実装だけの問題ではないことが多いですが、結果、手戻りが発生し、作業工数が膨らむことになります。

このような問題を回避するために、

  • その機能は、システムにどう影響するのか?
  • その機能は、どのような価値を生むのか?
  • その機能は、ユーザが要求している機能なのか?

を「考えて」実装していくことが必要です。

常に全体を意識する

【 部分(木)】を見る前に、まずは【全体(森)】を見る
 
【 部分(木)】を見ているときも【全体(森)】を忘れず

まずは、システム全体や影響する機能を把握してから実装に入るべきです。

そして、実装中でも、システム全体や影響機能を意識しながら実装を進めます。
必要であれば、仕様を変えていくことも「あり」です。

全体を意識することを取り入れてみてください。

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この記事を書いた人

阿部智紀
阿部智紀
トラスティア株式会社 専務取締役
テクニカルディレクター
長期に渡り、アジャイル開発を推進・実行しています。