アジャイルなチームのつくりかた(1):新しい課題の出現

アジャイル開発をはじめるときに、最初に取り組むことは何でしょうか?

適用可能なプラクティスからはじめたり、スクラムなどの手法を採用してその枠組みにはまるように進めたりと、何からはじめるのかはメンバの基礎知識や現場の状況などによって異なります。

しかし、

最初に取り組むべき最も重要なことは「チームをつくる」こと

であると思っています。

新しい課題の出現

チームは、チームメンバみんなでやってみて、失敗して、改善して、を繰り返していくことによって、アジャイルなチームへと成長していきます。
はじめは、チームメンバがそれぞれ異なった知識・経験を持っていても「ヨーイドン」でスタートすることにより、チームメンバみんなで経験してきたことが積み重なって今のチームをつくりあげていると言えます。

このように、これまでは何もないところからチームをつくりあげることに注目し、さまざまな情報を収集したり、できることから実践したり、と改善を続けてきましたが、ここ数年の間に新しい課題が出てきました。

それは新メンバの参入です。

「チームをつくる」ことを最優先に考えて取り組む

新しいメンバは、アジャイル開発の(知識を持っていたとしても)経験が無い場合が多く、きっちり詳細まで書かれた仕様書が渡されて作業をしてきた人にとってはまったくの別世界に思えることもあります。
たとえアジャイル開発の経験があったとしても、チームが異なれば重視する価値も異なるため、これもまた別世界に思えることもあります。

新しいチームで新しい案件を手掛けるのと違い、ある程度の文化が出来上がったチームに新しいメンバが加わることは、チームのベロシティが(下がるとまではいかなくとも)上がらなくなってしまい、より良い価値を提供し続けることに支障がでることになります。そして、新しいメンバにとってもチームの文化に慣れるまでにはたくさんの時間がかかってしまいます。

このような課題を解決するためにも「チームをつくる」ことを最優先に考えて取り組んでいくことが必要です。計画を立てるときにも、コーディングするときにも、テストをするときにも、どのような場面でも基礎となる大事なことです。

それでは、次の記事で今の自分のチームが取り組んでいる「チームをつくる」ための要素のうち、最も大事にしている3つの要素を紹介します。

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この記事を書いた人

阿部智紀
阿部智紀
トラスティア株式会社 専務取締役
テクニカルディレクター
長期に渡り、アジャイル開発を推進・実行しています。